「私の車がスパイに?」 2500万台分の携帯通信データ収集が浮かび上がらせる、EV監視構造 英国

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EV普及を背景に走行距離課税が検討されるなか、英運輸省は携帯電話データでEV利用者約2500万台を2年間追跡し、移動履歴と充電行動の把握を試みたが、精度やプライバシーを巡る懸念が浮上している。

監視社会への懸念とメーカーの変節

電気自動車利用状況の評価における携帯電話データの活用(画像:英国政府)
電気自動車利用状況の評価における携帯電話データの活用(画像:英国政府)

 EV情報サイト「Electrifying.com」を立ち上げたジニー・バックリー氏は、たとえ加工されていても、こうした行い自体がオーナーへの裏切りにほかならないと説く。

 政府がEVへの乗り換えをあれほど熱心に勧めた際、利用者のネット上の動きが分析の標的になるとは一言も触れられていなかった。走った分だけ税を課す仕組みが議論に上るいま、利用者が身構えるのは当然だ。普及に向けた華々しい宣伝の裏で監視が行われている現状は、移行の流れを押し留める火種になりかねない。

 保守党で運輸政策を担うリチャード・ホールデン議員は、現政権に向けてさらに厳しい言葉を投げている。走行距離に応じた課税を急ぐあまり、労働党がドライバーの携帯電話データをくまなく漁っている事態は、もはや異常と言わざるを得ない。人々が手放しで望んでいるわけではないEVを無理に広めようとし、その監視を通じて財政の穴を埋める増税を企む。それは守るべき信頼を足元から崩す振る舞いだ。国家が人々の移動という当たり前の権利を、税を吸い上げるための計算材料として扱っている姿が、そこには透けて見える。

 情報の吸い上げに対する疑念は、なにも国に限った話ではない。民間でも、似たような火種がくすぶっている。米国では2025年1月、ゼネラルモーターズが「スマートドライバープログラム」を通じ、利用者が知らないうちに運転データを集めて保険会社などに売り渡していたとして、罰金を命じられた。

 もはや車は、利益を生み続けるための情報源へと姿を変えている。目先の稼ぎのために利用者の信頼を差し出すやり方は、ブランドの価値を長く損なう危うさを孕む。データの外販は一時的な数字を押し上げるかもしれないが、顧客との結びつきを自ら断ち切るに等しい商売ではないだろうか。

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