「社用車をEVにしたい」 企業担当者の7割が検討しても、既存のガソリン車を動かせない根本理由
EV・HVへの転換意向は67.9%に達した一方、旧型ガソリン車の処分方法を決められない企業は55.1%にのぼった。いま法人車両市場では、「何を導入するか」以上に、「保有資産をどう手放すか」が経営判断を左右し始めている。
資産循環へかじを切る法人車両

地域ごとの特性や、車を何に使うかという現場の事情も、移行の進み具合を左右する。都市部では短い距離の移動が中心で、充電できる場所も整いつつある。
対して地方では、営業や保守のために長い距離を走る機会が多く、インフラの条件も厳しいのが現実だ。切り替えをためらう理由として、インフラ不足(45.6%)や走れる距離への不安(28.4%)が挙がっている。この数字は、地理的な条件が今もなお、重い意味を持っていることを物語っている。
配送、建設、営業といった仕事の中身によって、車に求める力は変わる。今の議論は、進むか止まるかといった二者択一ではなく、地域や用途、そして将来の価値までを見据えた、ふさわしい組み合わせを探る段階に入ったといえる。
5年後の姿を想像してみれば、法人向けEVが広がる裏側で、ガソリン車を中古としてどう流すか、あるいは資源としてどう回収するかといった、出口のインフラをめぐる争いが激しくなっているだろう。もし査定への不安や整備の遅れが長引くようなら、企業はHVを選ぶ現実的な路線を歩み、電動化の波は思いのほか緩やかになるかもしれない。
車を使い潰す形から、価値を保ちながら次へ回す仕組みへ。法人モビリティの経済的な理屈が、今まさに形を変えようとしている。