「社用車をEVにしたい」 企業担当者の7割が検討しても、既存のガソリン車を動かせない根本理由
EV・HVへの転換意向は67.9%に達した一方、旧型ガソリン車の処分方法を決められない企業は55.1%にのぼった。いま法人車両市場では、「何を導入するか」以上に、「保有資産をどう手放すか」が経営判断を左右し始めている。
不透明な査定額という障壁

企業が古い車両を手放そうとする際、最大の壁となっているのは適正な査定額がわからない(36.3%)という悩みだ。これに手続きが煩雑で手間がかかる(28.8%)、まとめて引き受けてくれる業者がいない(22.8%)、いつ手放すべきか判断できない(22.3%)といった声が続く。
ここで見えてくるのは、EVへの移行をためらわせる理由が、性能や環境への意識といった話にとどまらないことだ。社用車は日々の足であると同時に、
「減価償却の対象」
となる大切な資産でもある。いかに価値を損なわずに次の形へつなげるか――そんな経営上の重い判断が、現場の担当者にのしかかっている。
特に法人市場では、一度に何台もまとめて更新することが珍しくない。売却のタイミングひとつで企業のキャッシュフローは大きく変わってしまう。今回の調査でも、1~2年以内の処分を考える企業が30.1%いる一方で、26.7%が時期を決めかねている。この差は、先行きの資産価値が見通せない不安の表れだろう。
導入にあたって初期費用の高さ(50.2%)や充電インフラの不足(45.6%)、走れる距離への不安(28.4%)が課題として並ぶが、企業はこれらをバラバラに考えているわけではない。維持費や補助金、そして最後に出る売却益までをひっくるめた採算性を見つめているのだ。社用車の管理は今、より高度な財務の視点が求められる局面を迎えているのだ。