「社用車をEVにしたい」 企業担当者の7割が検討しても、既存のガソリン車を動かせない根本理由
EV・HVへの転換意向は67.9%に達した一方、旧型ガソリン車の処分方法を決められない企業は55.1%にのぼった。いま法人車両市場では、「何を導入するか」以上に、「保有資産をどう手放すか」が経営判断を左右し始めている。
EV普及を支える退出産業

電動化が勢いを増すにつれて、役目を終えたガソリン車を次へと繋ぐ出口の産業が、かつてない重みを持ちはじめている。
これまでの車の商売といえば、新車を売ることや、その後の整備が収益の柱だった。しかし近頃は、
・残価の管理
・中古車の流通
・法人車両の一括買取
・海外輸出
・資源の回収
といった、いわば退き際を支える工程が、ビジネス全体のなかで存在感を高めている。特に多くの車を抱える法人市場では、
「まとまった数の車両をいかに手際よく、確実にさばけるか」
が、そのまま経済的な価値に直結するようになった。査定の確かさや物流の網、海外での販路といった力が、新たな稼ぎ場として注目されている。
新車の市場と、今走っている車の流通市場は、新しい車が広まるほど巡りの領域が広がるという、切っても切れない関係にある。EVへの移行が進んで中古のガソリン車が市場に溢れ、査定の相場が揺れれば、企業は入れ替えをためらうだろう。それが結果として、新車の売れ行きにも響いてくる。
今、電動化を急ぐ企業や流通業者は、それぞれの立場から互いの出方をうかがっている。日本の質の高いガソリン車を求める海外市場へのルートが、実は国内の電動化を陰で支える土台となっている事実は、もっと知られていいだろう。