ランクル「年間825台」盗難! トヨタが仕掛ける「防衛モデル」転換の一手とは
自動車保有期間が平均7.2年、10年以上保有も28%に達するなか、車は“買って終わり”から“持ち続けて進化させる資産”へと変化している。トヨタの「UPGRADE FACTORY」と最新盗難対策の動きは、長期保有時代の新たな価値設計を示す。
純正後付けが変える愛車の価値

「TOYOTA UPGRADE FACTORY」と「LEXUS UPGRADE FACTORY」が、にわかに注目を集めている。純正オプションを正規販売店で後付けできる試みだ。新車注文時しか選べなかった装備を、いま乗っている一台に付け加えられる。買い換えという大きな出費を抑えつつ車を最新の状態に保てるのは、ユーザーにとって大きな利点だ。メーカー側も、車両システムを熟知した強みを生かし、販売後も収益を積み上げる形へと転換している。
なかでも切実なのが防犯対策だ。リレーアタックやCANインベーダーといった手口は日々巧妙さを増し、従来の防衛手段では太刀打ちできなくなっている。これに対抗して投入された「Smart Upgrade Switch セキュリティシステム」は、スマホ連携に加え、将来的な無線通信による性能向上も見据える。電子基盤と密接に結びつく純正品だからこそ、外部の業者が入り込みにくい堅牢な環境を作ることができた。
具体的な機能も常識を超えている。例えばエンジン始動ロックは、手元に正規のキーがあっても、アプリ認証や車内のボタン操作による暗号入力がなければ始動できない。不審な侵入を許せば専用スピーカーが音声で警告し、警戒中にドアが開いたり始動が試みられたりすれば、持ち主のスマホへ即座に通知が飛ぶ。
この機能は、2023年6月以降のアルファードとヴェルファイア、2025年3月以降のランドクルーザー300、2024年4月以降のランドクルーザー250に用意された。人気車種が優先された背景には、高い支持がそのまま盗難リスクに直結している厳しい現実がある。