「ながらスマホ」高速道路の方が危なかった? なぜ速度を上げると12%も増えるのか? “安全そうな道”ほど注意が外れる皮肉

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「渋滞時より高速走行時こそ危ない」――。60万件の走行データが、従来の安全常識を覆す実態を暴いた。速度が時速8km超過するごとにスマホ操作は12%増加。車両の進化が生む「偽りの安心」が、皮肉にもリスクを誘発している。自動車産業は今、AI検知技術を軸に、安全をデータで統治する新局面へかじを切った。

速度超過と操作頻度の密接な相関

リポート「速度超過の程度に基づく携帯電話操作の予測」(画像:米国道路安全保険協会)
リポート「速度超過の程度に基づく携帯電話操作の予測」(画像:米国道路安全保険協会)

 交通安全を専門とする人たちはこれまで、スマートフォンの操作は渋滞などの低速走行中に起きやすいと考えてきた。ところが、保険会社に集まる情報を読み解くと、その予想とは違う実態が見えてくる。

 IIHSのデビッド・ハーキー会長は、車の流れがスムーズなときほど、かえって操作の回数が増える傾向にあると話す。分析によれば、制限速度を時速5マイル(時速約8km)超えるごとに、高速道路でスマートフォンを使う割合は12%も膨らむという。

 こうした動きは道路の種類によっても変わる。幹線道路や街をつなぐ主要な道では、時速5マイルごとに3%の増加が見られた。とりわけ制限速度が時速70マイル(時速約113km)の高速道路では、時速5マイル速度が上がるにつれて、操作の頻度が9%も跳ね上がる。

 スピードを出しながら端末を触るというこの現象は、速度超過と脇見運転というふたつの危うい行動が、一部のドライバーの間で切り離せないものになっていることを物語っているのかもしれない。

 情報の可視化が進んだことで、保険ビジネスのリスク評価も形を変え始めた。時速45マイル(時速約72km)や50マイル(時速約81km)の道で3%、時速55マイル(時速約89km)では7%といった細かなデータは、ひとりひとりの走り方に合わせた保険の精度を高める土台となる。

 速度超過と端末操作の関わりが、制限速度の最も高い道路で強く表れているという事実は、これからの交通管理を考えるうえで避けては通れない材料となっている。

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