日本の「お家芸」が世界を救う? プラグインハイブリッド車が切り拓く“現実路線”の脱炭素
2024年、自動車市場に地殻変動が起きた。PHV販売が678万台に達し、HVを初めて逆転。前年比58%増という猛烈な勢いは、BEV失速の裏で「現実解」を求める消費者の声を映し出す。1台のEV資源で最大10台作れる圧倒的効率を武器に、中国勢がシェア7割を握るなか日本勢の逆襲は。脱炭素の真の主役が今、動き出す。
データが語る電動化の地殻変動
2024年、世界の自動車市場で地殻変動が起きた。PHVの販売台数が678万台に達し、654万台を記録したHVを初めて上回ったのだ。HVの伸びが18%に留まる一方で、PHVは前年比58%増と急加速しており、消費者の関心が実効性の高い環境性能へ移り変わっている。
この流れをけん引するのは比亜迪(BYD)を中心とした中国勢で、販売上位6社で世界シェアの7割を占める圧倒的な存在感を見せている。対する日本勢はトヨタ自動車が13位に留まるなど苦戦を強いられており、競争力の強化が急務となっている。
追い上げを急ぐトヨタは「マルチパスウェイ戦略」を掲げ、全方位への投資を強化した。また、三菱自動車も得意のPHV技術を土台にソフトウェア領域での連携を深めるなど、日本メーカーが誇る精密なエネルギー制御技術を既存の産業基盤の上で高度化させようとしている。
変化の波は欧州にも及んでおり、2025年1月から10月の新車販売ではPHVのシェアが9.4%に伸び、8%まで後退したディーゼル車を逆転した。前年比33%増というこの勢いの背景には、排出ガス規制の厳格化や燃料価格の変動を受けたユーザー意識の変化がある。
利便性と環境配慮の両立を求める市場において、補助金依存を脱した
「地に足のついた電動化」
が本格化している。カーボンニュートラル燃料の導入や車の一生を通じた排出削減を見据え、より現実的な選択が各地で動き出している。