「返礼品 = ポルシェ」が現実に? 自治体の6割が動く、ふるさと納税“モノ離れ”の新潮流
受入額1.2兆円超と過去最高を更新したふるさと納税が、「モノ」から「移動」へ劇的な転換を見せている。ユーザーの7割が体験型に関心を寄せる中、EV貸出やタクシー周遊といった「モビリティ版」は寄付件数が2021年度比210%と急伸。地域の足を支え再訪を促す、新たな地域経済循環の最前線を追う。
再訪を促す地域との繋がり

自治体が体験型の返礼品を強化している。その背景にあるのは、一時の話題づくりに留まらない、地域経済を動かしていくための見通しだろう。
レッドホースコーポレーション(墨田区)が2024年4月に出した資料によれば、今後力を入れたい返礼品として「体験型・旅先での返礼品」を挙げた自治体は
「61%」
に達した。実際の寄附件数も2021年度比で約210%、2022年度比で約140%と伸びており、市場の広がりが数字にも表れている。利用者の90%が
「寄附で訪れたまちにまた訪れたい」
と答えている点は見逃せない。移動をともなう体験がその土地への愛着を育み、繰り返し足を運ぶきっかけになっている。こうした動きは、地域と多様に関わり続ける「関係人口」を増やそうとする政府の進め方とも重なる。内閣による2024度の報告でも、つながりづくりの有効性が示された。
現地へ行って初めて利用できるモビリティ系の返礼品は、訪れる理由を強くし、宿泊や食事、移動といった一連の消費を地域のなかへ広げていく。北海道上士幌町のように、移動体験をきっかけに滞在中の消費を促し、地域全体の活動を活発にする試みは、新しい形として広がりを見せている。