「タクシー来ない…」が変わる? 沖縄100施設で始まった“アプリ不要”の新しい呼び方とは

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タクシー配車が「囲い込み」から「共生」へ転換点を迎えている。DiDiが全国展開するQRコード配車など窓口が多様化する一方、現場では複数端末の乱立が課題だ。公取委が独禁法上の懸念を示す中、国交省が主導する「標準API」は、資本力を問わず公平な競争を担保する。中小の存続を賭けた交通DXの最前線を追う。

中小の命運を握る共同システム

タクシー(画像:写真AC)
タクシー(画像:写真AC)

 公正取引委員会がまとめた「タクシー等配車アプリに関する実態調査報告書」の5ページには、重い指摘がある。市場を支配する事業者が、特定のタクシー会社を恣意的に優遇したり、あるいは冷遇したりする振る舞いは、独占禁止法に触れる恐れがあるというのだ。こうした懸念に対し、標準APIによる共同システムの構築は、公平な競争を担保する物理的な裏付けとなる。利用者の関心が「どの会社か」よりも

「いつ来るか」

という到着時間に移っている現状も、中小の事業者には追い風だろう。システムがすべての車両を等しく扱うようになれば、会社の規模の小ささは必ずしも不利な条件にはならないからだ。

 むしろ標準APIは、多額のシステム投資を自前で行う余裕のない中小企業が、大手に劣らない配車網に参加することを助けてくれる。個別の会社がバラバラに立ち向かうのではなく、デジタルを介してひとつの大きな供給の塊として動くことで、大手との格差を埋めていく。

 少子高齢化が避けられない日本において、こうした技術の広がりは、中小タクシー事業者が生き残るための血路を切り開く手立てとなっているのだ。

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