「路線は小さいのに、なぜ成長?」全線開通100周年、京都の鉄道企業に隠れたもう一つの収益源とは

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開通100周年を迎えた「嵐電」こと京福電気鉄道が、攻めの経営に転じている。新型車両導入やインバウンド需要で運輸業が営業利益39.5%増と躍進する一方、真の稼ぎ頭は利益率29%を誇る不動産賃貸業だ。営業利益の7割を不動産が支える独自の高収益体質を武器に、古都の足はいかにして持続可能な成長を描くのか。

事業の大幅縮小と上場の維持

京福電気鉄道が運行する叡山ロープウェイ(画像:京福電気鉄道)
京福電気鉄道が運行する叡山ロープウェイ(画像:京福電気鉄道)

 京福電気鉄道の前身である京都電燈は1888(明治21)年に設立され、関西・北陸方面での給配電事業や、京都・福井での鉄軌道事業を行っていた。だが配電統制令の施行にともない、1942(昭和17)年に鉄軌道事業を引き継ぐ形で同社が設立された。社名の通り、京都と福井という離れたふたつの地域を拠点として現在に至っている。

 現在の嵐山本線は1910年に開業した嵐山電車軌道を京都電燈が合併した路線である。1914(大正3)年には福井エリアで越前本線(現えちぜん鉄道勝山永平寺線)を開業し、1925年には叡山平坦線(現叡山電鉄叡山本線)などを開いた。1942年の京福電気鉄道設立後は主に福井エリアの私鉄やバス会社などを合併し、1950年ごろには100kmを超える路線網を持っていた。

 しかしその後、京都エリアでは1986年に叡山本線・鞍馬線を同社が新設した叡山電鉄に譲渡した。福井エリアでも丸岡線を1968年に廃止し、永平寺線の一部を1969年に廃止、残る区間も2002(平成14)年に廃止された。越前本線・三国芦原線も2003年に第三セクターのえちぜん鉄道へ譲渡している。いずれも赤字路線の切り離しによるものであり、当初保有していた叡山電鉄の株式も2002年までにすべて京阪電気鉄道へ譲渡した。

 なお同社は1949年に大阪証券取引所市場第一部と京都証券取引所(当時)に上場している。鉄軌道事業はピーク時に比べ大きく縮小したが、上場は維持してきた。2025年3月31日時点で京阪ホールディングスが全株式の43.17%を保有しており、京阪グループ傘下でありながら東証スタンダード上場企業となっている。

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