「路線は小さいのに、なぜ成長?」全線開通100周年、京都の鉄道企業に隠れたもう一つの収益源とは
開通100周年を迎えた「嵐電」こと京福電気鉄道が、攻めの経営に転じている。新型車両導入やインバウンド需要で運輸業が営業利益39.5%増と躍進する一方、真の稼ぎ頭は利益率29%を誇る不動産賃貸業だ。営業利益の7割を不動産が支える独自の高収益体質を武器に、古都の足はいかにして持続可能な成長を描くのか。
利益の7割を占める不動産事業

同社グループの第119期(2024年4月1日~2025年3月31日)における連結決算は、営業収益が前期比3%増の144億5900万円、営業利益が前期比20.3%増の23億200万円となった。
このうち、鉄軌道事業・索道事業・バス事業などの運輸業は、営業収益が前期比3.8%増の78億5300万円、営業利益が前期比39.5%増の4億2000万円で、グループ全体と運輸業のいずれも増収増益となっている。
鉄軌道事業では嵐山線・鋼索線ともに、訪日客を中心に利用者が増加した。加えて、24年ぶりとなる新型車両1両の導入に加え、大河ドラマ「光る君へ」を題材にした関係自治体や交通事業者、沿線施設との連携によるデジタルスタンプラリーの実施や、ラッピング電車の運行などの取り組みが利用促進につながった。かつては赤字路線の切り離しで事業を維持してきた面もあるが、近年は赤字体質からの脱却が進んでいる。
一方で、運輸業以上に同社グループの業績を支えているのが不動産業である。同期の不動産業は営業収益が前期比4%増の55億9300万円、営業利益が14.1%増の16億3600万円となった。営業収益は運輸業を下回るが、営業利益は約4倍に達している。利益率も運輸業の5%に対し、不動産業は29%に及ぶ。結果として、営業利益全体の71%を不動産業が占めている。
なお同社グループは第120期第3四半期(2025年4月1日~2025年12月31日)の決算を2026年5月12日時点で開示しており、こうした業績の流れはおおむね続いている。