「1960年の呪縛」を解く? JR西日本とANA・JALが踏み出した“越境提携”を考える
JR西日本がANA・JALと結んだ連携は、京阪神―九州で86.9%に達する新幹線シェアの先にある成長余地を広げられるか。鉄道と航空の予約一体化を2030年代に見据え、制度差の壁を越えた移動サービス構築に踏み出す動きだ。
航空大手との連携による共創

JR西日本は4月下旬に、ANA、JALのそれぞれと、「西日本エリアの社会課題解決に向けた連携強化」に関する協定を結んだ。背景には、今後の成長に向けて多様な相手との協力を通じ、利用者ごとに合った移動の形を提供し、交流人口や関係人口を増やすとともに、移動分野で持続可能な仕組みをつくる狙いがある。
もっとも、JR西日本と航空会社は、これまで主に京阪神から九州方面にかけて移動需要を巡って競い合う関係にあった。そのため、今回の連携強化は意外な動きとして受け止められている。
同社の資料によると、新幹線の利用割合は京阪神~福岡で86.9%、京阪神~熊本で59.2%、京阪神~鹿児島で23.6%となっている。九州新幹線の開業前は熊本29.9%、鹿児島9.2%だったことから、同社は利用割合を大きく伸ばしてきた。
一方で、現在の水準は鉄道の取り組みだけではこれ以上の伸びが見込みにくい段階にあるともいえる。JR西日本が掲げる
「様々なパートナーとの共創」
という表現には、従来の競合関係や業界の境界を越えた取り組みを進める姿勢が表れている。