「路線は小さいのに、なぜ成長?」全線開通100周年、京都の鉄道企業に隠れたもう一つの収益源とは
開通100周年を迎えた「嵐電」こと京福電気鉄道が、攻めの経営に転じている。新型車両導入やインバウンド需要で運輸業が営業利益39.5%増と躍進する一方、真の稼ぎ頭は利益率29%を誇る不動産賃貸業だ。営業利益の7割を不動産が支える独自の高収益体質を武器に、古都の足はいかにして持続可能な成長を描くのか。
堅実な不動産賃貸業への特化

大きな利益を上げている不動産業の中心を占めているのは、不動産賃貸事業である。不動産販売事業も手がけているが、その比率はごく小さい。
同期間には賃貸事業の収益基盤を強めるため、2024年7月25日に賃貸マンション「ワコーレヴィータ高槻八丁畷町」を取得し、2025年3月27日にはマンションと事務所の複合物件「京福茨木ビル」を取得した。京都地区・福井地区ともに既存の住宅向け賃貸物件の収入は安定して推移している。加えて、福井エリアでは「ボートレース三国」の施設賃貸収入も増えている。
同社は有価証券報告書で、グループが保有する賃貸物件19件の帳簿価格を物件ごとに開示している。その合計は、建物及び構築物が38億4400万円、土地が43億2400万円である。これらは貸借対照表上では固定資産に含まれ、取得時の借入との関係を考える必要はあるものの、一定期間にわたり収益を生み続ける資産となっている。
電鉄系企業の不動産事業は開発や分譲を含む形が多く、不動産販売事業の比重が高いとみられがちだが、同社グループは賃貸事業に重点を置いている点が特徴である。
不動産販売事業は営業収益の規模が大きく、短期的に高い利益を上げる場合もあるが、分譲や販売が終われば収益を生む仕組みもなくなる。一方で不動産賃貸事業は、賃料収入の伸びは大きくなりにくいものの、長期にわたり収益を生み続ける資産を持ち続ける形となる。
同社グループの不動産賃貸事業は、京阪グループの支えがあって成立してきた面もあるが、本業の運輸業を支えながら、中長期の事業運営を見据えた安定的な取り組みといえるだろう。