「EV電池」再編が加速! 「120万円」控除終了で揺れる市場、テスラが進める再定義とは
EVの普及は「車」の概念を根底から変えようとしている。容量70%超の「使い残した性能」を武器に、電池は今や消耗品から社会インフラへと昇華した。米国では需要182GWhに対し生産能力が275GWhに達する余剰電池を、AIデータセンター向け蓄電(BESS)へ転換する動きが加速。自動車とエネルギーの境界が溶け合い、全ライフサイクルで利益を稼ぐ「蓄電経済」の主戦場がいま幕を開ける。
日欧が挑む独自のリユース戦略

日本でも、EV電池を使い尽くす試みが着実に形になりつつある。三菱ふそうは2025年2月、電気小型トラック「eキャンター」の使い終えた電池を蓄電システムへ回す実験を、CONNEXX SYSTEMSと共に始めた。2026年の実用化を目指すこの動きの先には、電池が持つ価値を最後まで引き出し、車両にかかる生涯コストを抑えようという狙いが見える。
日産自動車にいたっては、2014年から「リーフ」の電池を再利用する事業を続けてきた。蓄電用だけでなく、ゴルフカートや工場の荷役車両など、その活躍の場はすでに多岐にわたる。国内で進む品質管理や評価の仕組み作りが、いずれ世界で通用する基準へと育っていくかもしれない。
一方の欧州では、車を作る側とエネルギーを担う側の結びつきが、日本以上に濃い。メルセデス・ベンツはパートナー企業との協力を2024年からさらに5年延ばし、ドイツ国内ですでに2000個を超える電池を蓄電用へと移し替えた。ルノー傘下の「Mobilize」やステランティスも負けてはいない。イタリアでのプロジェクトでは、78個もの電池を束ねた巨大な蓄電拠点を作り上げている。
再生可能エネルギーが広く普及した欧州では、電気の需給をいかに調整するかが死活問題だ。使い古しの電池を社会のインフラとして組み込むことで、地域を守る新しい産業の姿が浮き彫りになりつつある。