「1960年の呪縛」を解く? JR西日本とANA・JALが踏み出した“越境提携”を考える

キーワード :
, , , ,
JR西日本がANA・JALと結んだ連携は、京阪神―九州で86.9%に達する新幹線シェアの先にある成長余地を広げられるか。鉄道と航空の予約一体化を2030年代に見据え、制度差の壁を越えた移動サービス構築に踏み出す動きだ。

全国連携に依らない独自戦略

移動体験の共創エコシステム(画像:JR西日本)
移動体験の共創エコシステム(画像:JR西日本)

 今回の連携については、

「JR西日本だけでは対象地域が限られる」

との見方もある。確かに、インバウンドの利便性を考えるなら、日本全体で鉄道と航空が一体でつながることが望ましい。

 ただし、JR西日本の経営戦略から見ると、全国一体の連携が必須というわけではない。例えば、東京と九州を航空で往復する予定だったインバウンドが、片道だけでも鉄道を使うようになる、あるいは帰りに鉄道で京阪神に立ち寄るだけでも収益につながる。京阪神から先の東京方面については、どの移動手段を使うかにかかわらず、JR西日本の収益には直接つながりにくい。

 また、二地域居住を軸にした「関係人口の拡大」は、現時点では西日本に重点が置かれている。その前提に立てば、重要になるのはJR四国やJR九州との結び付きであり、JR北海道やJR東日本との広域連携ではないといえる。

 JR西日本とJR四国、JR九州は、すでにe5489サービスで連携している。今回のJR西日本と航空各社の取り組みは、この枠組みを通じてJR四国やJR九州にも影響が及ぶ可能性がある。

 さらに、西日本エリアから東京方面への鉄道利用が増えれば、JR東海にも利用増という形で波及することになる。

全てのコメントを見る