「1960年の呪縛」を解く? JR西日本とANA・JALが踏み出した“越境提携”を考える

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JR西日本がANA・JALと結んだ連携は、京阪神―九州で86.9%に達する新幹線シェアの先にある成長余地を広げられるか。鉄道と航空の予約一体化を2030年代に見据え、制度差の壁を越えた移動サービス構築に踏み出す動きだ。

予約・観光・移住の三本柱

プレスリリース「鉄道と航空の共創による 関係・交流人口拡大とサステナブルなエコシステムの実現」(画像:JR西日本)
プレスリリース「鉄道と航空の共創による 関係・交流人口拡大とサステナブルなエコシステムの実現」(画像:JR西日本)

 今回の協定では、

・顧客体験価値の向上
・インバウンドを中心とした交流人口の拡大
・関係人口の拡大

という三本の柱が掲げられた。「顧客体験価値の向上」は、鉄道と航空の一体的な予約や決済の実現を指す。2030年代をめどに、JR西日本と航空各社の予約の仕組みをつなぎ、どちらの窓口からでも鉄道と航空の両方を予約し、支払いまで行える環境を目指すとしている。JR西日本とANAは2024年3月から国内での連携を始めており、今後はこれをインバウンド向けの市場やJALとの取り組みに広げる考えである。

「インバウンドを中心とした交流人口の拡大」では、インバウンドに対して鉄道と航空の資源を組み合わせた広域観光の行程を提案し、利用の増加につなげる方針である。現状では、鉄道と航空の予約の仕組みが別々に動いており、旅行者が行程を組み合わせにくいという課題がある。予約と決済を一体で扱えるようになれば、インバウンドの利便性は高まるとみられる。

「関係人口の拡大」は、ANAが2025年10月から進めている「ANAの二地域居住 BLUE SKY LIFE」や、JALが2025年に実施した二地域居住の取り組みを土台にしている。ANAは鳥取・佐賀・高知、JALは北海道・和歌山・香川・長崎と、対象地域は西日本を中心に広がっている。人口減少が進む地方において、移動を支えるJR西日本が加わる意義は大きい。

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