ヒョンデはなぜ、日産の半分に過ぎない「50万台」を目標にしたのか? 北京モーターショーで露呈した“主導権経営”の勝算

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2026北京モーターショーは38万平方メートル規模で開催。現代自動車は中国企業と組みつつ開発主導権を維持し、日本勢は現地依存を強める。EV競争の構図は技術主権とスピードのせめぎ合いへと移る。各社の戦略差が次世代モビリティ競争の勝敗を左右する局面に入った。

主導権がわかつ将来の明暗

現代自動車・アイオニックブランドのコンセプトモデル(画像:現代自動車)
現代自動車・アイオニックブランドのコンセプトモデル(画像:現代自動車)

 現代自動車が北京汽車との合弁に踏み切ってから、24年近い月日が流れた。2010年代半ばには年間100万台を売り上げる勢いを誇ったが、その後の知能化の波に乗り遅れたことで、実績は大きく沈み込むことになった。同社は拠点の整理を進め、生産の規模を絞り込むことで、なんとか事業を繋いできた。

 今回、EVブランドのアイオニックを立ち上げたのは、世界最大の市場から退かないという強い意志の表れといえる。この転換は、品揃えを新しくするだけの話ではない。自らの経営のあり方そのものを問い直す試みだ。

 現代自動車にとって、中国からの撤退は企業の存亡を脅かす危機に等しい。北京汽車との協力関係を保ちながらも、開発の主導権はあくまで自社で握り、現地の有力企業をパートナーとして動かす道を選び取った。対照的に、日本勢は現地の企業に権限を譲り、一体となって進む道に活路を求めている。この異なるふたつのやり方のうち、どちらが正解なのかを今の段階で見極めるのは難しいだろう。

 知能化や電動化を巡る争いが激しさを増すなかで、意思決定の主導権をどれほど自らの手に留めておけるかは、将来の勢力図を左右する大きな境目になるはずだ。現代自動車のように技術の主権を守る手法は、地政学的なリスクに見舞われた際や、技術を他の地域へ転用しようとする局面で強みを発揮する。

 一方で日本勢の手法は、現地のスピードを吸収できる強みはあるものの、その市場に縛り付けられる懸念も拭えない。消費者が外資ブランドに独自の哲学を求めるのか、現地メーカーと同等の利便性を望むのか。この地はまさに、各社の生き残り方が試される実験場である。日韓がどのような軌跡をたどるのか、今後の動向を注視する必要がある。

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