ヒョンデはなぜ、日産の半分に過ぎない「50万台」を目標にしたのか? 北京モーターショーで露呈した“主導権経営”の勝算
現地資本に託す日本勢の生存圏

日産は中国での巻き返しを期して、現地主導のモデルを戦略の真んなかに据えた。今回のショーで世界に先駆けて公開された新型SUV「アーバンSUV・PHEV」や「テラノPHEV」からは、新車を世に送り出す速度を上げようとする意志が見て取れる。
これらふたつのモデルは1年以内の売り出しを予定しており、さらに三つの電動車が後に続く。パートナーである東風汽車との結びつきを強め、現地の素早い開発のやり方を取り入れる日産は、この地を技術革新の源泉、さらには中南米や東南アジアへ向けた輸出の拠点とも位置づけている。
トヨタのブースに並んだのは、広州汽車集団との合弁である広汽トヨタが世に問うた「bZ7」だ。使い勝手の良さや走りの質が評価されているこの車は、買った人の約5割がそれまでトヨタ車に乗っていなかった新規客だという。マツダもまた、現地拠点で形にした電動車を海外へ届ける動きを早めており、販売全体に占める電動車の割合を38%から70%へと一気に引き上げる構えを見せる。長安マツダが手がける「EX-60」は、年内にも欧州やオーストラリアへの出荷が始まる予定だ。
こうした前のめりな姿勢とは打って変わって、ホンダは販売の落ち込みを前に事業の立て直しを急いでおり、発表会そのものを見送った。日本勢の間でも、現地の力にどこまで身を委ねるかという判断がわかれ始めている。
多くのメーカーが現地の力を借りて製品化の時間を短縮しているが、それは裏を返せば、日本側の開発する力が削がれていくリスクと隣り合わせだ。実務を丸ごと現地の相手に任せる手法は、いずれ自社がブランドという名前を貸すだけの存在になりはしないか。速さを求めて中枢の判断を委ねる道が、長い目で見たときの競争力にどう跳ね返ってくるのか、今まさに厳しく問われている。