被害が減らない「ドアパンチ」 3割超が被害経験! なぜ「逃げ得」が横行するのか? 愛車を守れない駐車場の現実

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SUV比率が2016年の14.9%から主力市場へ拡大するなか、旧来規格の駐車場とのズレが深刻化している。ドアパンチ多発の背景には、車両大型化と狭小インフラ、そして“逃げ得”を許す制度疲労が横たわっていた。

駐車マスと車体サイズの不整合

被害を受けているユーザーが意外と多い「ドアパンチ」の現状とは(画像:法科学鑑定研究所)
被害を受けているユーザーが意外と多い「ドアパンチ」の現状とは(画像:法科学鑑定研究所)

 駐車場でドアを開けた際に、隣の車にぶつけ、傷や凹みを作ってしまう「ドアパンチ」。現場では加害者が立ち去るケースが目立ち、被害者は泣き寝入りを強いられることが少なくない。こうしたトラブルが続く背景には、国が示す基準と、現代の車のサイズが噛み合わなくなっている現状がある。

 国土交通省の「駐車場施工指針」によれば、普通乗用車向けの区画は幅2.5m以上、長さ6.0m以上とされる。だが、実際の街中ではこれより狭い場所も珍しくない。背景にあるのは、

・動かしにくい不動産としての「駐車場」
・短いサイクルで開発が進む「車両」

との時間差だ。土地オーナーにとって、区画を広げることは駐車台数を減らし利益を削る行為であり、現状維持が経営上の合理的な判断となっている。

 一方で、メーカー側は安全基準への対応や利益確保を目指し、車体の大型化を進めてきた。都市部の高い地価を前に一台でも多く停めたい運営側の論理が、インフラを硬直化させ、市場の動きを置き去りにしている。私有車が限られた公共の駐車空間を埋め尽くし、物理的な限界を迎えつつあるのが今の姿だ。

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