被害が減らない「ドアパンチ」 3割超が被害経験! なぜ「逃げ得」が横行するのか? 愛車を守れない駐車場の現実

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SUV比率が2016年の14.9%から主力市場へ拡大するなか、旧来規格の駐車場とのズレが深刻化している。ドアパンチ多発の背景には、車両大型化と狭小インフラ、そして“逃げ得”を許す制度疲労が横たわっていた。

風や傾斜、同乗者が招く接触リスク

ドアパンチによってついた車両の傷(画像:法科学鑑定研究所)
ドアパンチによってついた車両の傷(画像:法科学鑑定研究所)

 火種は駐車場の狭さだけではない。周囲の環境と操作の誤りが積み重なることで、発生確率は跳ね上がる。なかでもリスク要因として見過ごせないのが、

・風
・傾斜
・同乗者の乗降動作

の三点だ。日本自動車連盟(JAF)が行ったテストによれば、風速20m/sほどの強風下でドアを開けると、大人でも抑えがきかず勢いよく開ききってしまうことがある。密閉された車内では外の風の強さを感じにくく、手をかけた瞬間にドアが煽られ、隣の車を叩いてしまう。

 特にSUVやミニバンには特有の事情がある。側面衝突に耐えるためドア内部が厚く補強されており、一枚あたりの重みが増しているのだ。乗員の命を守る強固なつくりが、皮肉にも開閉時の制御を難しくし、周りを傷つける恐れを高めている。安全を求めるほど車両が重厚になり、周辺へのリスクを増大させる構図が浮かび上がる。

 同乗者が子どもや高齢者の場合も、力加減が難しく運転者の目が届かないところでドアが開けられるため注意が必要だ。さらに地面のわずかな傾きも、重力でドアが予想以上の速さで流れ出し接触を招く。

 夜間や暗い場所での視認性低下も含め、ドアパンチは車の安全構造と、ままならない外部環境がぶつかり合う地点で起きているのだ。

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