被害が減らない「ドアパンチ」 3割超が被害経験! なぜ「逃げ得」が横行するのか? 愛車を守れない駐車場の現実

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SUV比率が2016年の14.9%から主力市場へ拡大するなか、旧来規格の駐車場とのズレが深刻化している。ドアパンチ多発の背景には、車両大型化と狭小インフラ、そして“逃げ得”を許す制度疲労が横たわっていた。

解決コストの高さと泣き寝入りの実態

ドアパンチの被害を受けたことがある人は約3割。「ドライブレコーダーの利用状況に関する調査」より(画像:パイオニア)
ドアパンチの被害を受けたことがある人は約3割。「ドライブレコーダーの利用状況に関する調査」より(画像:パイオニア)

 被害がなかなか減らないのは、対応策が知られていない以上に、解決に注ぐ労力が損害額に見合わない理不尽な仕組みに原因がある。

 パイオニアが2022年10月、車を持つ男女1200人を対象に行った調査によれば、ドライバーの

「31.5%」

が被害を経験している。さらに、82.7%が不安を抱き、20.9%は駐車中の当て逃げを実際に経験しているという。

 加害者が立ち去る背景には、数万円程度の損害に対して正直に向き合うよりも、

「逃げたほうが得をする」

という後ろ向きな計算がある。被害側も、警察への届け出や証拠収集の手間が修理費の重さと釣り合わず、泣き寝入りを選びがちだ。こうした負担の偏りが、不誠実な逃げ得を許す空気を作っている。

 制度上の壁も厚い。まず警察へ事故の証明を届け出なければ、加害者が名乗り出ても連絡が届くルートが閉ざされてしまう。保険を使えば翌年からの払い込みが増えるため、結果として持ち出しが生じる。駐車場のカメラ映像確認も警察を通すのが大前提だ。こうした理不尽を跳ね返すには、わずかな傷であっても第三者の記録に残すという意志が必要になる。

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