BRTと駅前再編はなぜ噛み合わないのか? バス利用額「全国8位」の都市で進む、歩行者と車社会の分断

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新潟市の都市構造は、鉄道偏重でも公共交通一体でもなく、自家用車と道路網に依存した“分散型モビリティ”にある。BRT再編や駅前再開発が進む一方、生活動線との乖離も残るなか、移動の実感と都市設計のずれが鮮明になっている。

拠点接続を狙う「にいがた2km」の構想

新潟市の観光入込客数合計(千人)。新潟市のデータより(画像:Merkmal編集部)
新潟市の観光入込客数合計(千人)。新潟市のデータより(画像:Merkmal編集部)

 新潟市は、新潟駅を公共交通の結節点として強め、駅前から万代・古町までをひとつの都心軸としてつなぐ構想を進めている。このエリアには「にいがた2km」という愛称がつけられ、国からも都市再生を加速させる重点地域に選ばれた。新潟駅は鉄道と路線バスが交わり、市内外の人の流れを最も集めやすい場所。ここを乗り換えの拠点とするだけでなく、集まった人流を都心の奥へと広げ、街全体の活性化につなげるのが市の狙いだ。

 市が駅前から万代・古町までを一体として捉えたのは、人の流れを滞らせないためだろう。江戸時代からの情緒が残る古町と、1970年代に交通の要所として発展した万代。これらが独立した拠点のままでは、どうしても人の動きが分断されてしまう。そこで駅の高架化や、2024年に全面開業した駅直下の歩行者優先型バスターミナル、南北を貫く直通便の運行、さらには東大通の改修を進めた。駅から都心へと、よりスムーズに動ける環境を整えようとしたわけだ。

 ここで重きを置かれたのは、駅前という点だけの開発ではない。離れた複数の拠点をひとつの経済圏として結びつけ、都市としての地力を底上げすることだった。しかし、この取り組みが実を結ぶためには、移動の際にかかる手間や心理的な重荷を、極限まで取り除かなければならない。

 利用者が増えるほど使い勝手が良くなる好循環を生むには、まずは自家用車に引けを取らない

「移動の滑らかさ」

が必要になる。歩くことを中心に置いた空間が、車での直行を上回る心地よさを提供できるか。それが街全体の行方を左右することになりそうだ。

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