「中国勢にはもう勝てないのか」 世界の企業幹部1000人が打ち明けた「SDV開発」の重い現実――再利用率48%が示す競争条件の変化
内製化率に表れる統御構造の格差

SDVの開発現場では、自社でどこまで賄うかという内製の比率に明らかな開きが見て取れる。中国が41%に達しているのに対し、米国は25%、欧州は27%、日韓は37%にとどまる。この数字の差は、車の挙動をどの企業が掌握するかという、主導権の所在に直結する。
自前でソフトウェアを書き上げる体制があれば、不具合の修正や機能の追加を自らの判断で即座に行える。一方で外部への依存度が上がれば、それだけ調整の手間が増え、歩みも鈍らざるを得ない。製造業としての地平で戦うのか、あるいはソフトウェアを中心とした組織へ脱皮するのか。その立ち位置の違いが、この内製化率に表れているのだろう。
ソフトウェアの組み立て方についても、地域ごとの思想がわかれているようだ。中国では59%が更新を前提とした柔軟な基盤を取り入れている。対照的に、米国は59%、欧州は67%、日韓も67%が、これまでの仕組みをそのまま引き継ぐ道を選んだ。
既存の枠組みを使い続けることは目先の安定には寄与するが、新機能を取り込もうとする際には大きな重荷となる。ソフトウェアを先行して進化させる土壌を整えた中国と、過去のしがらみから変化の幅を狭めている他地域。そのコントラストは、時間が経つほどに鮮明になっていくのではないか。
車両全体の構造を見ても、同様の傾向がうかがえる。全体をまとめて制御する最新の方式を選んだのは中国で39%。対して米国は60%、欧州は67%、日韓は55%が、過去の部品を寄せ集める手法を続けている。これまでの取引先との関係や既存の設備を守るための判断ともいえるが、結果としてシステムを複雑にしている側面も否定できない。
ゼロから更新を前提に作り上げた中国と、過去との整合性に重きを置いた日米欧韓。この選択の違いが、のちの更新作業で発生するコストや手間の差として、重くのしかかってくることになるだろう。