「地味な路線」をキャッシュレス化? 北陸の路線バス会社が“平日78便減”でも止まらない根本理由

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ドライバー不足で最大6.3%の減便に踏み切った新潟交通。JR新潟駅―免許センター線での完全キャッシュレス化や顔認識による乗降データ化(20日間実証)を通じ、労働集約型モデルからの脱却を図る。供給制約下で交通網を維持する“データ経営”の実像が見えてきた。

乗降データ可視化による運行最適化

顔認識による乗降情報データ化の実証実験イメージ(画像:トランザクション・メディア・ネットワークス)
顔認識による乗降情報データ化の実証実験イメージ(画像:トランザクション・メディア・ネットワークス)

 人手不足や人口減少下で運行を最適化するには、客観的な根拠が欠かせない。

・利用者の属性
・時間帯ごとの乗降実態
・決済動向

を詳細に把握し、効率的な運行計画を策定する必要がある。新潟交通は既に具体的な施策に着手している。

 2025年12月2日から21日にかけて、同社は「顔認識によるバスの乗降情報データ化の実証実験」を実施した。電子決済サービスのトランザクション・メディア・ネットワークス(TMN、東京都中央区)と連携し、一部車両にAIカメラを設置。乗降データを蓄積し、省力化に向けたデータ活用を検証した。本事業は新潟市の「令和7年度新潟市デジタルイノベーション創出推進補助金」を活用している。

 TMNによる同様の試みは過去にもあったが、当時は認識精度の不足が課題となっていた。技術の進展にともない学習能力は向上しており、新潟交通は将来の経営基盤を整える姿勢を鮮明にしている。

 本取り組みは、従来把握が困難だった乗客の動態を属性データとして可視化し、顧客管理体制を構築する端緒となる。バス車内を地域住民の移動実態を把握する拠点と位置づけ、地方交通を維持するための経営基盤を強化する構えだ。

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