「地味な路線」をキャッシュレス化? 北陸の路線バス会社が“平日78便減”でも止まらない根本理由

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ドライバー不足で最大6.3%の減便に踏み切った新潟交通。JR新潟駅―免許センター線での完全キャッシュレス化や顔認識による乗降データ化(20日間実証)を通じ、労働集約型モデルからの脱却を図る。供給制約下で交通網を維持する“データ経営”の実像が見えてきた。

限定路線で進めるキャッシュレス化戦略

2026年1月16日に配信された記事「「小銭お断り」は身近な路線から? 新潟交通「免許センター線」という戦略、国の厳しい要件を“逆転の発想”でクリアか」(画像:Merkmal編集部)
2026年1月16日に配信された記事「「小銭お断り」は身近な路線から? 新潟交通「免許センター線」という戦略、国の厳しい要件を“逆転の発想”でクリアか」(画像:Merkmal編集部)

 以前、「「小銭お断り」は身近な路線から? 新潟交通「免許センター線」という戦略、国の厳しい要件を“逆転の発想”でクリアか」(2026年1月16日配信)という記事で書いたとおり、新潟交通は国土交通省主導の「完全キャッシュレスバス」実証実験に参画した。対象となったのはJR新潟駅と新潟県免許センターを結ぶ路線だ。生活に欠かせない施設を繋ぐ一方、利用者が限定的な同路線で完全キャッシュレス化が実施された。

 免許センター線の運行本数は限られている。JR新潟駅から免許センター間は時期により変動するが平日は2~3本、復路は平日3~5本だ。運行時間は施設の業務予定に準じており、利用者は免許更新や各種手続きを目的とする層が中心となる。

 実験の場として同路線を選定した背景には、経営上の戦略がある。通勤・通学客が主体の路線では決済手段の変更に対する抵抗が強く、運用変更にともなう混乱のリスクも大きい。

 対して、利用頻度が低く目的が明確な免許センター線であれば乗客の行動を把握しやすく、導入時の摩擦を最小限に抑えられる。現金管理にともなう人件費や保守費用は事業運営の重荷だ。用途を絞った路線からキャッシュレス化を推進する手法は、リスクを管理しつつコスト削減と収益性向上を図る確実性の高い施策といえる。

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