「地味な路線」をキャッシュレス化? 北陸の路線バス会社が“平日78便減”でも止まらない根本理由

キーワード :
, ,
ドライバー不足で最大6.3%の減便に踏み切った新潟交通。JR新潟駅―免許センター線での完全キャッシュレス化や顔認識による乗降データ化(20日間実証)を通じ、労働集約型モデルからの脱却を図る。供給制約下で交通網を維持する“データ経営”の実像が見えてきた。

最大6.3%減便にみる資源再配分

新潟交通のウェブサイト(画像:新潟交通)
新潟交通のウェブサイト(画像:新潟交通)

 新潟交通が実証実験に参画する背景には、限界に達した人手不足がある。毎日新聞(2026年3月6日付け)が報じたダイヤ改正と路線バス減便の記事は、その切迫した状況を裏付けている。

 同社は2026年3月29日のダイヤ改正により、新潟市内などの路線バスを1日あたり3.1%から6.3%減便した。削減規模は

・平日:78便(3.1%)
・土曜:87便(5.5%)
・日曜・祝日:90便(6.3%)

に上る。具体的には、東堀通線(市役所前~入船営業所)で平日を減便し、土日祝日の運行を廃止するほか、臨港町線でも全日で便数を絞り込む。

 会社側が掲げる「効率的なダイヤ編成」の実態は、不採算部門を整理し、維持すべき路線へドライバーを重点配置する資源集中である。平日の減便を抑制する一方、休日の削減幅を拡大する判断は、地域経済の基盤となる移動を維持しつつ、低採算領域を縮小する経営姿勢を示している。完全キャッシュレス化は、供給力の低下をデータ活用で補完し、交通ネットワークを維持するための

「現実的な防衛策」

といえるのだ。

全てのコメントを見る