「サービスエリア混みすぎ」 なぜ駐車枠を増やしても混雑解消しないのか? 4倍に拡張しても埋まり続ける“休憩難民”の現実
長時間駐車と占有率の上昇

大型トラックの滞在スタイルは様変わりしている。海老名SA(上り)の2022年4月の平日データによれば、利用台数で見れば8時間以上の滞在はわずか7%だが、駐車場の占有率ではそのわずかな車両が全体の約6割を占めている。
こうした長時間駐車が駐車場の回転を著しく鈍化させ、混雑を日常化させている。本来は短時間の休息を前提とした場所が、荷主の指定時間に合わせるための「時間調整の待機所」へと変質しているのが実態だ。
高速道路の料金体系上、一度入場すれば長時間滞在しても追加料金はかからない。
「早い者勝ちで独占できる」
状態が放置され、空間を回す仕組みが追いついていない。また、施設改修で食事や買い物の魅力が高まり滞在時間が延びたことも、駐車枠不足に拍車をかける皮肉な結果を招いている。
これに対し、NEXCO各社は2023年11月から、滞在を1時間以内に限る「短時間限定駐車マス」を導入した。足柄SAでは大型車枠を83台分増設し、混雑度が109%まで改善したという成果も出ているが、依然として100%を超えている。一部車両による独占が続く限り、増設だけで解消するのは至難の業だ。
物流の形も大型化しており、2019年からはダブル連結トラックの規制が緩和された。この巨体を確実に受け入れるため、2020年度からは東名や新東名など主要路線の計6か所で駐車枠の予約システムの実証実験が始まっている。SA・PAのあり方は自由な場所から
「予約優先の場所」
へと転換点を迎えている。短時間駐車枠の運用も、2024年12月には新たに24か所へと拡大される予定だ。
現場では制限時間を超える車両をAIカメラで監視する仕組みも導入された。利用者のモラルに頼るのではなく、システムで強制的に適正利用を促すほど事態は切迫している。
ETC2.0を活用した予約制は、足柄SA、豊橋PA、静岡SA、浜松いなさIC、土山SAで運用が始まり、2026年4月15日からは駿河湾沼津SAと浜松SAも加わった。
こうした仕組みは物流効率を高める一方、予約管理のノウハウを持たない小規模運送会社が取り残される懸念も生む。インフラが高度化するほど対応力の差による隔たりが生まれ、駐車枠を巡る問題は物流業界の構造的な課題を浮き彫りにしている。