「サービスエリア混みすぎ」 なぜ駐車枠を増やしても混雑解消しないのか? 4倍に拡張しても埋まり続ける“休憩難民”の現実

キーワード :
,
高速道路のSA・PAで大型車の駐車枠不足が常態化し、海老名SAでは8時間超の長時間駐車が約6割を占める。増設や予約制導入が進む一方、供給拡大が新たな需要を呼び込み、混雑は解消に至っていない。

駐車区分と限られた敷地条件

交通量の多い東名(画像:都野塚也)
交通量の多い東名(画像:都野塚也)

 SA・PAの駐車枠は小型車と大型車で厳密にわけられるのが原則だが、その境界線は崩れつつある。多くの施設は開通当時の敷地面積のまま運用されており、立地の制約やコストから拡張は容易ではない。場内レイアウトの工夫で対応してきたものの、押し寄せる車両の波が現場の努力を上回りつつある。

 日本で最も交通量が多い東名高速道路を例にとれば、1975(昭和50)年に1日あたり約14万台だった交通量は、2017年には約41万台へと約3倍に増えた。車種別では大型車の多さが際立つ。東名の海老名ジャンクション(JCT)~御殿場JCT間では車両全体の39%、新東名の御殿場JCT~豊田東JCT間に至っては48%を大型車が占めている。

 半世紀前の枠組みで現代の膨大な物流需要をさばくには限界がある。根本的な議論がなされないまま小型車と大型車の共用枠といった当座の対応が繰り返されてきたが、その場しのぎの策が物理的制約を複雑にし、混雑解消を遠ざけている。

 東名高速では電光掲示板に

「大型車 満車」

が表示されることが多く、特に平日の夜間は凄まじい。海老名SAでは、8時間以上の長時間駐車が全体の約6割に達しているという。

 大型車枠に空きがないとき、ドライバーは法で定められた休息時間を守るために、小型車枠や場内通路に巨体を滑り込ませざるを得ない。運転強行による法令違反を避けるため、小型車枠への駐車というマナー違反で済ませようとする判断が働いている。

 通路を大型車が埋め尽くせば普通車の通行に支障が出、小型車枠までふさがれれば一般利用者が本来の場所に止める権利を奪われる。かつて憩いの場だった施設が大型車の集中によって本来の役割を見失い、一般利用者が休憩を敬遠するという悪循環が着実に進んでいる。

全てのコメントを見る