「お米を買うか、ガソリンを入れるか」 ガソリン高騰で食費を削る人が「3割」――家計の優先順位が崩れるなか、次に何が起きるのか
税負担への不信と不満の集中

「ガソリン価格の上昇や、国の対応について不満に感じていることは何か」という問いに対し、最も多くの票を集めたのは二重課税の仕組み(49.5%)だった。ガソリン税にさらに消費税が上乗せされるこの構造への批判に続き、車体にかかる税金が高すぎる(44.3%)、石油元売りへの補助金による価格調整(33.2%)が並ぶ。
ここで浮かび上がるのは、価格の高さへの不満だけではない。
「今の時代にそぐわなくなった仕組み」
そのものへの、強い不信感だ。国が税収を守るために複雑な課税を維持し続ける姿勢が、物価高に喘ぐ個人の生活をいっそう追い詰めている。
一方で補助金を出し、もう一方で高い税を課し続ける。このちぐはぐな政策の食い違いが、利用者を出口のない状況へ追い込んでいる。制度全体の綻びが、家計への打撃をより深刻なものにしているといえる。
こうしたなか、車との付き合い方を変えようとする動きも無視できない水準に達している。売却や乗り換えに向けて動いている(10.2%)と真剣に検討し始めている(14.9%)を合わせれば、すでに4人にひとりが具体的な行動を起こしている計算だ。
さらに、すぐには動かないが考えている層も3割に上り、将来的な切り替えを視野に入れる人々は分厚い。乗り換え先の候補は、
・電気自動車(EV):24.4%
・ハイブリッド車(HV):19.9%
・プラグインハイブリッド車(PHV):19.1%
と割れているが、注目すべきはカーシェアやレンタカーへの移行が13.9%に達している点だろう。
EVへの関心の高さは、産油国の動向に家計を振り回されることへの拒絶反応とも取れる。だが、それ以上に「所有そのものをやめる」という選択は、移動の自由を制限してでも家計の崩壊を防ごうとする、苦渋の決断に近い。
有力な選択肢が分散している現状は、誰もが納得できる正解が見つかっていない証左でもある。各々が手探りで対策を講じるなかで、社会全体の構造転換は足踏みし、ただ負担だけが積み重なっていくおそれがある。
車を手放すという選択。それは新しい価値観への前向きな転換などではなく、積み重なる重圧から逃れるための、やむにやまれぬ防衛策として表れているのだ。