「物流の仕事、イケてる?」 なんと学生の8割が「現場職」を視野に! ホワイトカラー優位はなぜ揺らぎ始めたのか

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2026年4月のX Mile調査(学生500人)で81.6%が現場職を選択肢に含み、AI不安が進路を変えつつある。物流など物理領域の価値上昇とともに、職業観の転換が進行している。

現場職への関心の高まり

物流トラック(画像:写真AC)
物流トラック(画像:写真AC)

 2026年4月8日、X Mile(東京都新宿区)が学生500人を対象に行った調査の結果は、私たちの職業観が大きな節目にあることを物語っている。就職を控えた学生の8割を超える81.6%(408人)が、かつて「ブルーカラー」と呼ばれた現場職を、自らのキャリアの選択肢に含めているのだ。

 もちろん、学生の好みが完全に引っくり返ったわけではない。どちらの仕事に魅力を感じるかという問いには、オフィス系の仕事(事務・企画・営業・管理など)が73.8%(369人)、現場系の仕事(製造・建設・物流・インフラなど)が26.2%(131人)という数字が出ている。しかし、ここで目を向けるべきは、オフィス職を志す層が見せる柔軟な構えだ。

 このオフィス系を志望する369人に、働く条件などの環境が変わった場合に現場職を選んでもよいかを聞くと、今の職種以外は考えられないといい切った学生は24.9%(92人)に過ぎなかった。対照的に、残りの75.1%(277人)は、条件が整えば現場での仕事を選んでもよいと考えている。

 その具体的な中身を見てみると、休みや働く時間の改善(39.6%/146人)が最も多く、年収が大きく上がること(29.0%/107人)、将来の幅が広がること(24.1%/89人)、世間の目が気にならないこと(14.9%/55人)と続く。もともと現場志望だった131人に、この「条件次第で検討する」277人を合わせることで、全体の8割を超える81.6%という数字が浮かび上がってくる。職種へのこだわりの壁を越えて、多くの学生が現場を「現実的な行き先」として捉えている。

 こうした意識の変化を突き動かしているのは、ホワイトカラーの象徴だった事務職などが、生成AIに取って代わられることへの切実な不安だろう。調査結果によれば、学生たちはオフィスでの仕事が現場の仕事に比べて、AIに場を奪われるリスクが4.5倍も高いと見ている。進路を考えるものさしとして、AIへの適応力を挙げる層はすでに3割近い27.2%に達した。

 面白いのは、彼らが身につけようとする技能の中身が変わってきたことだ。現場やインフラ系の資格を目指す学生は29.8%に上り、AIやデータ活用といった先端の技術を求める22.8%を上回っている。デジタルの世界では情報の複製コストがほぼゼロだ。AIがコンテンツを次々と生み出す時代になるほど、人が関わる価値は薄まっていく――そんな感覚が広がっているのかもしれない。

 一方で、形のある「物を扱う腕」は、技術がどれほど進んでも、簡単には置き換えられない。不透明な先行きを生き抜くための武器として、学生たちは目に見えない記号の世界から、確かな手触りのある現実の仕事へと、自らの足場を移し始めている。

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