鉄道・運輸関係が2.1%に倍増! 「男の子の将来なりたい職業」が映し出す、インフラへの新たなリスペクト
警察官15.6%が首位を占める一方、パイロットは1.4%で19位へ後退――2006年比で半減した。その裏で運転士7.7%、鉄道・運輸2.1%は伸長。20年で子どもの職業観は「空への憧れ」から「生活を支える現場」へと静かに軸足を移している。
「地上」へ移る職業観の重心

2026年4月2日、クラレ(東京都千代田区)が新小学1年生の男の子2000人を対象に行った調査の結果が出た。「将来就きたい職業」の顔ぶれは、一見すると例年通りの落ち着きを見せている。
上位には警察官(15.6%)、スポーツ選手(12.3%)、消防・レスキュー隊(10.8%)が並び、社会の安全を担う仕事への支持は相変わらず固い。だが、交通や輸送にまつわる職種に目を向けると、今の子どもたちが抱く関心の輪郭がこれまで以上に鮮明に浮かんでくる。
運転士・運転手は7.7%で4位、鉄道・運輸関係が2.1%で12位、車整備・販売が1.5%で15位。一方で、かつての花形だったパイロットは1.4%で19位にとどまった。
この数字だけを追えば、単なる順位の変動に見えるだろう。しかし、ここ20年ほどの推移をたどってみると、別の景色が見えてくる。そこにあるのは、職業への価値観が静かに、だが着実に移り変わっているという事実だ。
空を飛ぶパイロットという存在が象徴していた「未知への挑戦」という輝きよりも、鉄道や輸送が担う
「当たり前の生活を回し続ける役割」
に、子どもたちの目は向いている。移動という行為の意味が、どこか遠くへ連れて行ってくれる魔法のような道具から、暮らしを守るために欠かせない土台へと変わったのかもしれない。かつての英雄への憧憬は、今、目の前の社会を支える地道な機能への信頼へと、その姿を変えつつある。