EVの限界を揺るがす「走るほど充電」の仕組みとは? 回転式試験機と3kW走行中ワイヤレス給電が示す、EV開発の転換点

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EV普及の壁とされる電池コストや走行距離不安に対し、走行中ワイヤレス給電が現実解として浮上。東京都立大が開発した回転式試験機は3kW伝送と時速40km再現を可能にし、都市実装と参入拡大への道を開いた。

分野横断の技術統合が支える進展

東京都立大学(画像:写真AC)
東京都立大学(画像:写真AC)

 計算による検討と機械による確認を組み合わせることで、電気と磁気、機械の動きが重なり合う領域に残っていた課題がひとつずつほどかれている。

 物理、電子、材料、構造といった複数の分野が交差するこの領域の進歩は、EVの発展に直結するものでもある。持続可能な移動手段の確保が世界的な課題となるなかで、この成果は将来の方向をより具体的な形で示しつつあるように見える。試験の手順を簡素にするだけでなく、複雑な現象を整理して捉える手がかりにもなっている。

 この進歩が持つ意味は、運用面にも及ぶ。充電のために車両が止まる時間をほとんどなくし、稼働できる時間を大きく延ばす可能性が見えてきた。とりわけ物流や公共交通では、充電待ちによる運行停止を減らせる影響は小さくない。輸送コストの圧縮につながるだけでなく、社会全体の生産性にも波及していく余地がある。EVの普及を妨げてきた走行距離への不安を和らげる現実味も、少しずつ増している。

 将来像として語られるのは、高速道路を中心とした走行中給電の導入だ。まずは限られた区間から始まり、運用と検証を重ねながら広がっていく流れが想定される。

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