EVの限界を揺るがす「走るほど充電」の仕組みとは? 回転式試験機と3kW走行中ワイヤレス給電が示す、EV開発の転換点

キーワード :
, ,
EV普及の壁とされる電池コストや走行距離不安に対し、走行中ワイヤレス給電が現実解として浮上。東京都立大が開発した回転式試験機は3kW伝送と時速40km再現を可能にし、都市実装と参入拡大への道を開いた。

走行中給電が変えるEVの前提

自動車(画像:Pexels)
自動車(画像:Pexels)

 環境負荷を抑える次世代の移動手段として電気自動車(EV)への期待は大きい。気候変動への対応という面でも中心的な役割を担い、化石燃料に頼る内燃機関から離れ、再生可能エネルギーを活用する流れが進めば、二酸化炭素の排出を大きく減らせるとされている。

 一方で、普及にははっきりとした壁が残る。バッテリー価格の高さが車両価格を押し上げていることに加え、走行距離の限界も課題として続いている。距離を伸ばそうと電池を大きくすれば、その分だけ車体は重くなり、費用もさらに増える。この負担の連鎖から抜け出しにくい状況が続いている。

 こうした流れを変える手段として注目されているのが、走りながら電力を供給する

「走行中ワイヤレス給電(DWPT)」

である。車両にケーブルをつなぐことなく電力を送ることで、走行距離の拡大と電池の小型化を同時にねらえる仕組みだ。これが広がれば、EVの価値は「どれだけ電池を積むか」から

「電力供給の仕組みをどう使うか」

へと軸足を移していくことになる。さらに電池を小さくできれば、リチウムやコバルトといった希少金属への依存も弱まり、供給面の不安も和らぐ。結果として、補助金に頼らず内燃機関車と競える価格帯に近づく可能性がある。

 ただしこれまでは、送電側の設備を埋め込んだ専用の実験路が必要で、費用や土地の確保が大きな負担となってきた。研究予算が限られる現場では参入のハードルが高く、開発の広がりにも制約が生じていたのだ。

全てのコメントを見る