「3時間もタダで待てません」 4月の荷主義務化とタイパ時代、ドライバー34%不足予測が突きつける物流改革の限界と現場負担
荷待ち時間の削減策として期待されるバース予約受付システムだが、一部のベンダーでは、売上獲得を優先するあまり、輸送効率を損なうおそれのある「法令の抜け穴」へと誘導するような営業トークが行われているとの指摘もある。
輸送力不足の深刻化

現在の日本社会は、ドライバーの高齢化に加え、少子高齢化や働き手の減少も重なり、「荷物が運べない」物流の危機に直面している。シンクタンクの予測では、2030年度には輸送能力が
「34.1%不足する」
見通しだ。このような状況のなかで、ドライバーに無駄な時間を使わせている余裕はほとんどないはずである。
こうした背景を受け、政府は物流効率化法を施行し、すべての荷主に対して輸送の効率を高める努力義務を課した。さらに一定量以上の貨物を扱う荷主は特定荷主として指定し、努力義務ではなく罰則付きの義務を課す仕組みとした。なお、特定荷主が扱う貨物の合計は国内輸送量のおよそ半分にあたるように設定されており、物流の混乱を防ぐ狙いがある。
こうした政府の取り組みは物流改革の政策と呼ばれている。そのなかのひとつが前述の「1運行2時間ルール」である。
・1運行あたりの荷待ちや荷役などの時間を2時間以内にすること
・1回の積み降ろしにかかる荷待ちや荷役などの時間を1時間以内にすること
・結果として、ドライバーひとりあたり年間125時間の拘束時間削減を目指すこと
ただし、ここには矛盾も見える。1回の積み降ろし時間を1時間以内に収めたとしても、積み降ろしが3回、4回と重なる運行では、全体を2時間以内に収めることは難しくなる。
さらに問題となるのが、運用の前提として示された条件である。「1運行2時間ルール」は荷主に課されるものだが、荷待ちや荷役などの時間として扱われるのは、
「あくまで荷主側の都合で発生した時間」
に限られている。