大型ミニバンに「5人乗り」がないのはなぜか?――少子化時代でも7~8人乗りが主流なワケ

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日本では世帯人数が2.21人まで減る一方、乗用車の77.6%が保有されるなかでも、大型ミニバンに5人乗りがない理由は明確だ。購入は日常平均ではなく、最大人数に備える判断であり、3列シートを持つ多人数対応力と中古価値が商品力を支えているためである。

ミニバンの利用実態は「5人以下中心か否か」

トヨタ アルファード Executive Lounge(ハイブリッド・E-Four)(画像:トヨタ自動車)
トヨタ アルファード Executive Lounge(ハイブリッド・E-Four)(画像:トヨタ自動車)

 大型ミニバンに5人乗りが出てこない背景には、日本社会の変化が深く関わっている。トヨタのアルファードやヴェルファイアには7人乗りや8人乗りがあるが、5人乗りは用意されない。市場の事情に理由がある。

 日本自動車工業会の「2023年度 乗用車市場動向調査」によると、2023年度の乗用車保有率は77.6%、複数保有率は35.7%。主な使い方は「買い物・用事・その他」が4割強で最も多く、走行距離も長い目で見ると減っている。多くの世帯にとって車は、買い物や送迎といった日々の短い移動を支える道具だ。

 だが大型車の価値は、日常を超えた大人数移動や行楽への対応力にある。ふだんは5人以下の利用でも、いざという時に多くの人を乗せられる余地に、利用者は高い金額を払う。一台で多くの用事をこなす生活のなかで、多人数移動という機能を外すと商品の魅力は大きく下がる。メーカーは最初から5人乗りに絞るより、7人乗りや8人乗りで作る方が市場で受け入れられると判断している。

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