大型ミニバンに「5人乗り」がないのはなぜか?――少子化時代でも7~8人乗りが主流なワケ

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日本では世帯人数が2.21人まで減る一方、乗用車の77.6%が保有されるなかでも、大型ミニバンに5人乗りがない理由は明確だ。購入は日常平均ではなく、最大人数に備える判断であり、3列シートを持つ多人数対応力と中古価値が商品力を支えているためである。

5人乗り需要におけるSUV・セダンの代替可能性

アルファードの車内の様子(画像:トヨタ自動車)
アルファードの車内の様子(画像:トヨタ自動車)

 5人での移動を前提にするなら、スポーツタイプ多目的車(SUV)やセダンといった乗用車が国内外で数多く販売されている。日本自動車工業会の調査でも、5人乗りを基本とする車が市場の大きな割合を占める。5人乗りだけを求めるなら、大型車以外にも選択肢は多い。車両価格や維持費を考えれば、あえて5人乗り専用を選ぶ理由は弱い。

 それでも大型車を選ぶ層は、多人数での移動を前提にしている。日本自動車工業会の調査では、平均保有期間は7.2年とされる。一台を長く使う傾向があるなかで、親族や友人を乗せる場面に備えられる安心感は重要になる。

 3列目シートがあることは、中古車としての価値にもつながる。残価設定型ローンで購入する場合、将来の下取り価格が毎月の支払い額に影響するため、多人数乗車の機能を外すことは評価を下げ、負担が増えることにもつながる。

 荷室の広さについても、今のシートの使い方で十分に対応できる。先代のアルファードやヴェルファイアでは、3列目をたたむことで荷室の奥行きが1000mmを超えることが実測で確認されている。現行の40系でも、2列目まで使った状態で約900~1160mmほどの広さがある。ノアやヴォクシーでも約900~1180mmの荷室長が確保されており、レジャー用途でも不足はない。SUVと比べると、高さ方向の空間で大きな余裕がある。

 この広さを保ちながら、必要に応じて人数を増やせる柔軟性が強みになっている。荷室を広げるために3列目を外した車への需要は限られているのだ。

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