なぜ最近、駅前に「緑」が増えたのか? ヒートアイランド対策を超えて進む空間設計の再編とは
都市の緑化は、2000年代の制度整備と技術進歩を背景に累計約600万平方メートルへ広がり、今では不動産価値や滞在時間を左右する要素として定着している。賃料上昇や約7.4%の価格差、滞在時間30分以上が約9割といった実態が示すのは、植物が都市開発の収益構造そのものに組み込まれつつある現状だ。
駅前が緑に変わった理由

高輪ゲートウェイ(東京都港区)や麻布台ヒルズ(同)、コモレ四谷(新宿区)など、近年の駅前や都心の開発では、緑を前面に出した空間の作り方が目立つようになっている。
池袋や新宿といったターミナル駅でも、今後の計画では壁や通路、屋上にまで植物を取り入れる動きが広がっている。駅前はコンクリートとガラスでできた場所だというこれまでの印象は、少しずつ変わり始めている。
植物そのものは以前からあり、建物の外回りや屋上の庭として整えられてきた。ただ近年は、その
「扱い方」
が変わってきた。通路や広場、屋上、壁にまで植物が途切れずに広がり、空間全体を一体で使う事例が増えている。建物の外側を人が集まる場として使い、周辺の空間も建物の延長として取り込む動きだ。
人が密集する都市で生じる負担をやわらげ、滞在を増やす狙いもある。背景にあるのは、床面積を増やす発想から、空間の質で収益を伸ばす考え方へと重心が移ってきたことだ。