なぜ最近、駅前に「緑」が増えたのか? ヒートアイランド対策を超えて進む空間設計の再編とは

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都市の緑化は、2000年代の制度整備と技術進歩を背景に累計約600万平方メートルへ広がり、今では不動産価値や滞在時間を左右する要素として定着している。賃料上昇や約7.4%の価格差、滞在時間30分以上が約9割といった実態が示すのは、植物が都市開発の収益構造そのものに組み込まれつつある現状だ。

設計を変えた技術

池袋西口整備イメージ(画像:内閣府)
池袋西口整備イメージ(画像:内閣府)

 こうした変化の背景には、緑化技術の進歩がある。軽い土や根の広がりを防ぐ資材、水をためて流す仕組み、自動で水を送る設備などは、2000年代以降に一定の水準に達していた。

 その結果、屋上では背の高い木を含む多様な植物を育てることができるようになり、壁面でも複数の種類を組み合わせる手法が広がった。植物の種類や予算に合わせて技術を選べるようになり、場所の特性や目的に応じた組み合わせが可能になっている。

 近ごろの特徴は、こうした技術を屋上などの一部にとどめず、通路や建物のなかまで切れ目なく取り入れるようになった点にある。植物は建物の表面を飾る存在から、建物全体の働きを支える要素へと変わってきた。例えば、植物が水分を出す働きを利用して周囲の温度を下げ、建物全体の温度の管理にも役立てている。

 また、これまでの建材は完成時がもっとも価値が高く、その後は古くなるだけだったが、今の技術は植物の成長を取り込むことで、

「時間がたつほど価値が増す」

状況を生み出している。こうした変化は、技術の進歩そのものよりも、それを建物全体の仕組みに組み込んだ点に大きな意味がある。

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