自工会が掲げる「新7つの課題」の空白地帯 自動車産業は人々を惹きつける基幹産業であり続けられるのか
2030年代に労働人口が20%減少する自動車産業。AI・ロボットで生産性向上を図る試みが進む一方、デジタル人材確保や若者のブランド離れが課題となり、基幹産業の持続性が問われている。
世代別ブランド力の変化

若者のクルマ離れが進むなか、自動車ブランドの認知度にも変化が現れている。
日経BPコンサルティングの「ブランド・ジャパン2026」は、5万8000人の回答をもとに各企業の価値を測る調査で、今回で26回目を迎えた。結果では、トヨタ自動車は一般生活者全体で26位だったが、20代以下では
「149位」
と大きく順位を下げた。パナソニックも全体4位から20代以下で27位に、ソニーは10位から40位に後退しており、長年日本経済を支えてきた企業の価値が若い世代に届いていない様子がうかがえる。
一方で、ビジネスパーソンの視点ではトヨタ自動車が19度目の首位となり、大きな存在感を示した。ソニーが2位、パナソニックが8位と続き、現役世代の信頼は依然として厚い。
しかし、この世代間の評価の差は将来に向けたリスクを含んでいる。若者にとって自動車は生活を支える移動手段にすぎず、所有への関心は薄い。ブランド力の低下は、優秀な学生が自動車メーカーを就職先として選ぶ意欲を削ぐ要因になり得る。IT企業が便利な生活の仕組みを提示するなか、自動車産業が既存の枠組みに留まれば、次世代の専門人材の確保はさらに困難になる。将来の市場を支える
「若者に選ばれる存在」
であることは、事業の継続に直結する課題なのだ。