自工会が掲げる「新7つの課題」の空白地帯 自動車産業は人々を惹きつける基幹産業であり続けられるのか

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2030年代に労働人口が20%減少する自動車産業。AI・ロボットで生産性向上を図る試みが進む一方、デジタル人材確保や若者のブランド離れが課題となり、基幹産業の持続性が問われている。

労働環境と稼働体系

トヨタの2026年度カレンダー(画像:トヨタ自動車労働組合)
トヨタの2026年度カレンダー(画像:トヨタ自動車労働組合)

 2026年の春季労使交渉では、大手企業を中心に満額回答が相次いだ。製造業全体でも満額回答は6割に達している。賃上げと並んで議論となったのが、業界独自の稼働体系だ。自動車業界では、工場の連続稼働を優先するため、祝日の出勤に代えて長期連休を設け、年間休日を調整してきた。

 それでも他産業と比べると休日の少なさは目立つ。自動車総連に加盟する企業の年間休日は121日が主流で、電機連合の126日と比べると

「5日差」

がある。この差は、生活の質を重視する若手や高度な専門知識を持つ人材が、他業種へ流れる一因となっているだろう。

 トヨタは今春の交渉で、生産性向上の姿勢を明確に示した。自社の開発基準「TS(トヨタスタンダード)」を見直し、部品図面の作成回数を難易度に応じて減らす。さらに、車両制御などの種類を年内に3割減らす方針も打ち出した。これまでの過剰な品質管理や複雑な工程を削ぎ落とす取り組みであり、開発負担を軽くすることで、休日を増やす余力を生み出そうとしている。

 こうした効率化が進まなければ、働き方で他産業に劣る現状を変えるのは難しいのではないか。

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