トヨタ自動車が「欧州首位」――ボルボを上回る「自動車・EV技術」出願、全体25位浮上が示す収益構造の変化とは
欧州特許出願が20万件を超え過去最多となるなか、トヨタ自動車がEV技術でボルボ・グループを上回り首位に立った。日本勢は電池出願を23.8%伸ばし、欧州で特許網を広げる。販売ではなく権利で収益を得る構えが見え始めた。
技術分野における資源集中

今回のデータでまず目に入るのは、技術分野の選び方と資源の振り向け方だろう。日本は電気機械やエネルギー分野で13.6%増と二桁の伸びを示し、とりわけ電池で強みを固めている。一方で、AI関連の出願は前年より9%減った。米国が26%増、中国が4%増とソフトウェア分野で競争を強める流れとは対照的である。
ここには、日本勢の向き合い方が表れている。情報分野よりも、実体を持つ技術に力を注いだ。ソフトウェアは更新の周期が短く、権利を長く保ちにくい。これに対し、電池や駆動装置のような製品の特許は、生産体制と結びつけば、長い期間にわたり参入を抑える働きを持つ。
日本は情報分野に深く踏み込まず、製品の効率や信頼性という持ち味を前に出すことで、主導権を握ろうとしている。将来、車の価値の重心がソフトウェアに移る場面があったとしても、物理的な性能が全体の価値を左右する状況が続く限り、日本が積み上げてきた特許網は他社にとって高い壁として残る。資源や性能に制約がある以上、このような強みは競合に向き合ううえで
「現実的な打ち手」
となるのだ。