トヨタ自動車が「欧州首位」――ボルボを上回る「自動車・EV技術」出願、全体25位浮上が示す収益構造の変化とは

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欧州特許出願が20万件を超え過去最多となるなか、トヨタ自動車がEV技術でボルボ・グループを上回り首位に立った。日本勢は電池出願を23.8%伸ばし、欧州で特許網を広げる。販売ではなく権利で収益を得る構えが見え始めた。

電動化価値を左右する地域条件

「EPOテクノロジー・ダッシュボード2025」(画像:欧州特許庁)
「EPOテクノロジー・ダッシュボード2025」(画像:欧州特許庁)

 これまでの業界では、

「バッテリー式電気自動車(BEV)か、それ以外か」

という二項の見方が前面に出てきた。ただ、トヨタ自動車が電動推進で首位に立ち、日本の電池関連出願が23.8%増えたという事実を眺めると、技術の価値は導入される地域の条件に大きく左右されることが見えてくるだろう。

 再生可能エネルギーが広がり、充電網が整った地域では、トヨタやパナソニック、AESCが積み上げてきた電池や電動推進の技術は、BEVの価値を押し上げる権利として働く。他方で、電力網が不安定で火力発電への依存が続く地域では、同じ技術が限られた電力を効率よく使うための手立てとして受け止められる。前提が変われば、同じ技術の意味合いも変わる。

 日本勢は、特定の車種の普及を急ぐよりも、各地のエネルギー事情に応じた電動化のあり方で主導権を取りにいく構えを見せている。欧州全体で輸送分野の出願が1.2%減るなか、日本は0.4%の増加を保ち、電気機械やエネルギー分野でも13.6%伸びた。どのような環境でも使われる技術の土台を積み上げてきた結果といえそうだ。

 市場の流れを追いかけるというより、エネルギーの使い方や資源の効率で先に出ることで、市場全体の選択を自社技術の内側に引き寄せようとする。そうした意図が透ける。地域ごとの電力事情を前提に、普及の道筋そのものを握ろうとする動きでもあるのだ。

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