トヨタ自動車が「欧州首位」――ボルボを上回る「自動車・EV技術」出願、全体25位浮上が示す収益構造の変化とは
欧州特許出願が20万件を超え過去最多となるなか、トヨタ自動車がEV技術でボルボ・グループを上回り首位に立った。日本勢は電池出願を23.8%伸ばし、欧州で特許網を広げる。販売ではなく権利で収益を得る構えが見え始めた。
知財勢力図の変化

欧州特許庁(EPO)が公表した「EPOテクノロジー・ダッシュボード2025」は、モビリティ分野の知財の動きに変化が出ていることを示す。欧州特許庁は約6300人の職員を抱える欧州有数の公的機関で、本部はドイツ・ミュンヘンにある。ベルリンやウィーンなどにも拠点を持つ。ひとつの手続きで最大46か国、約7億人の市場に効く特許の付与を担い、特許情報の分野でも世界的な役割を果たす。
欧州特許の出願は20万1974件と過去最多に達し、前年から1.4%増えた。日本からの出願は2万1304件で、国別では4位に位置する。なかでも目を引くのは、トヨタ自動車が自動車分野と電動推進(EV技術)の分野でEPOの最多出願者となり、いずれも2024年に首位だったボルボ・グループを上回った点だ。
トヨタは2025年のEPOへの総出願でも自動車メーカーの首位となり、ステランティス、ルノー、現代自動車、BYD、フォルクスワーゲンを上回った。全体順位も前年の43位から25位へと上がっている。ただ、この結果をそのまま日本勢の優位と見ると、やや見誤る。数字の意味は、市場の条件や国際情勢で変わりうるからだ。
注目すべきは、トヨタの出願の積み上げが示す含みである。欧州という主戦場で各社が電動化を進めるほど、自社特許を避けにくい状況が広がりつつある。他社の選択を狭める可能性を持つ枠組みをあらかじめ整え、市場での影響力を高める余地をつくってきたと見ることもできる――。