なぜ「第三京浜」は、あんなに走りやすいのか?――35kmを結ぶもうひとつの幹線、「首都高」「東名」と並ぶ回廊の実像とは

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東京23区約995万人、横浜市約377万人――国内最大級の都市圏を結ぶ約35kmの道路網が、累計4.8兆円の価値を生んできた。第三京浜と横浜新道は、走りやすさと時間の確かさを土台に、物流と消費の動きをどう変えてきたのか。

累計利用と交通量拡大

費用対効果のイメージ(画像:写真AC)
費用対効果のイメージ(画像:写真AC)

 第三京浜と横浜新道は、開通以来、多くの車の流れを受け止めながら、地域の土台を支えてきた。2024年までの累計利用台数は、

・第三京浜:約27億台
・横浜新道:約19億台

に達する。開通後50年で、東京と横浜のあいだの交通量は約6割増えた。利用者の約9割は一般車で、そのうちおよそ4割が沿道の市町村間の移動を占める。この道が日々の暮らしや仕事に深く入り込んでいる様子がうかがえる。

 累計で約4.8兆円にのぼる経済効果は、移動の効率が生む価値の大きさを物語る。とりわけ金融や不動産、物流が全体の9割を占める点は重い。沿道の商業も伸びており、大型小売店舗数は約47倍、販売額は約18倍に増えた。移動時間が縮むことで、一定時間内に届く範囲が広がり、商圏が外へ広がったためだ。

 加えて、不測の事態への備えとしても機能している。2022年に東名高速で通行止めが起きた際、約2割の車が第三京浜へ流れた。こうした動きは、物流の滞りを抑える受け皿として働いていることを示す。

 休日になると、利用の約4割は観光や行楽が占める。横浜新道からつながる藤沢市の江の島では、観光客数が2024年までに約1.6倍に増えた。都内の目黒区から向かう場合、一般道と比べて約53分短縮される。この差が人の動きを押し広げ、各地での消費につながっている。渋滞の少なさが生む時間の余裕が、地域の動きを下支えしているともいえるのだ。

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