なぜ「第三京浜」は、あんなに走りやすいのか?――35kmを結ぶもうひとつの幹線、「首都高」「東名」と並ぶ回廊の実像とは

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東京23区約995万人、横浜市約377万人――国内最大級の都市圏を結ぶ約35kmの道路網が、累計4.8兆円の価値を生んできた。第三京浜と横浜新道は、走りやすさと時間の確かさを土台に、物流と消費の動きをどう変えてきたのか。

三路線の役割分担

横浜北線。岸谷生麦出入周辺(画像:写真AC)
横浜北線。岸谷生麦出入周辺(画像:写真AC)

 東京と横浜のあいだには、首都高、東名、第三京浜という三つの高規格道路が並行して走る。首都高は横浜駅周辺やみなとみらい、新横浜といった拠点を細かく結び、市内外の移動を受け止めている。対して東名は、東京から愛知方面へとつながる広域物流の幹線だ。横浜市内の横浜青葉IC、横浜町田ICはいずれも通過点の性格が強く、広い範囲を移動する流れの途中に置かれている。

 これに対し、第三京浜は国道15号や国道1号を補い、横浜新道もまた国道1号のう回路として働く。目を引くのは、

「走りやすさ」

を優先したつくりだ。多くの区間で片側3車線が確保され、本線でも最低2車線が保たれている。この幅の余裕が運転時の判断にゆとりを生み、速度が落ちやすい場面でも流れの乱れを抑える。首都高や東名と比べて混雑が少ないのは、こうした構成が車の動きを安定させているためだろう。他の路線に支障が出た際には代替路としても機能し、交通の滞りを和らげる役目も持つ。

 2017年の横浜北線、2020年の横浜北西線の開通を経て、この路線の位置づけは一段と重みを増した。首都高の横羽線や湾岸線、東名とつながり、広い範囲の交通を支える結節点となっている。つながりが増えるにつれて使い勝手も高まった。港北IC周辺に物流施設や工場が集まるのは、こうした安定した交通条件が拠点選びに織り込まれているためでもある。

 物流や通勤の車が多く行き交う一方で、バスなどの公共交通は多くない。都市間の実務的で機動的な移動に軸足を置いた道路であることが、そこから見えてくるのだ。

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