「もう、これ以上は走れません」長距離トラックの“泊まりがけ勤務”は終わりを迎えるのか? 年間労働「2484時間」、中継輸送の現実と運用の壁とは
約29兆円規模の物流を支えるトラック輸送が、いま揺らいでいる。有効求人倍率2.37倍、年間労働時間2484時間という現実の中で、SAを拠点とした交替輸送は持続可能性を取り戻せるのか。
物流基盤としての市場規模と依存構造

国土交通省が2024年12月に公表した「物流の現状と課題について」は、物流が国民生活と経済を支える基盤であることを改めて示している。営業収入は約29兆円で全産業の2%、従業員数は約226万人で就業者全体の3%を占める規模だ。この数値の大きさは、各産業が生み出す付加価値が物流網の存在を前提に成り立っていることを示しているが、その依存の深さは普段あまり意識されない。
国内貨物輸送をモード別に見ると、トンベースでは自動車が9割超を占める。輸送距離を加味したトンキロベースでは、自動車が約5割、内航海運が約4割、鉄道が約5%となる。距離を加味すると構成は分散するものの、数量の面では依然として自動車への依存が際立つ。この柔軟性の高さが日本の物流を支えてきた一方で、エネルギー価格や労働コストの変動が、そのまま経済全体に広がる構造でもある。
こうした輸送の中核にあるのが営業用大型貨物自動車であり、それを担うのがトラックドライバーだ。ただ、現場を見れば人手不足と長時間労働が常態化している。安価で利便性の高い物流は、ドライバーの過重な負担の上に成り立ってきた側面を否定できない。現在の人手不足は一時的な需給のずれというより、これまでの収益構造そのものが維持できなくなりつつある兆しとも読める。