JR東日本「約40年ぶりの運賃改定」、本当に妥当だったのか? 山手線16%値上げと「配当維持」の現実――民営化破綻の序章とならないか

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JR東日本は約40年ぶりに運賃を見直し、都心部では最大16.4%の上昇となった。年間881億円の増収を見込む一方、修繕費の抑制や技術人材の減少、配当増加の継続が重なり、保守体制と資金配分のあり方が改めて問われている。

減り続ける技術系職員と修繕費

改定前後運賃検索サイト(画像:JR東日本)
改定前後運賃検索サイト(画像:JR東日本)

 鉄道統計年報をもとに技術系現業部門の職員数を確認してみよう。

・現業部門(工務)
 2019年度:3765人 → 2021年度:3551人 → 2023年度:3867人

・現業部門(電気)
 2019年度:2249人 → 2021年度:2091人 → 2023年度:1996人

・現業部門(車両)
 2019年度:1751人 → 2021年度:1551人 → 2023年度:1356人

コロナ禍の2021年度は、2019年と比較して各部門とも大きく減少していた。線路の保守などの工務部門と車両部門は約200人、電気部門は約150人も少なくなっている。以降も電気や車両の職員数は減少し、2023年度を2019年度と比較すると、電気部門で1割以上、車両部門で2割以上も現業部門の職員が減っている。

 2024年3月に北陸新幹線延伸にともなう並行在来線の経営移管があったが、移管先のえちごトキめき鉄道の職員数は、電気部門は24人、車両は11人とわずかである。職員数減少の説明要因としては限定的だ。

 続いて修繕費を確認してみよう。

・線路保存費(うち修繕費)
 2019年度:1650億円 → 2021年度:1402億円 → 2023年度:1491億円

・電路保存費(うち修繕費)
 2019年度:734億円 → 2021年度:593億円 → 2023年度:679億円

・車両保存費(うち修繕費)
 2019年度:464億円 → 2021年度:325億円 → 2023年度:387億円

コロナ禍の2021年度は、線路などの設備の修繕費は約15%、電気設備の修繕費は約20%、車両の修繕費は約30%の削減となった。修繕費は、実は請負で働く工事管理者や作業員といった従事員の人件費も含まれている。本来修繕すべき設備が手付かずになるだけでなく、待遇悪化によりJR東日本の仕事を去った請負従事員もいた可能性がある。

 JR東日本の本体の技術者の減少に加え、実際に鉄道を支えている請負従事員の体制に影響を及ぼしていたのであれば、

「グループとして技術力が落ちている」

のは間違いない。JR東日本は、一連のトラブルの対策として、技術系採用の増加や修繕費の増額を挙げている。しかし、技術者の養成には時間が必要なうえに、技術力のある請負従事員が戻ってくる保証はない。

 鉄道を保守する技術は、JR東日本という組織だけではなく、技術系の社員や請負従事員の個々の腕にあるのだ。運賃を値上げしたところで、失われた技術は容易に回復できるものではない。

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