JR東日本「約40年ぶりの運賃改定」、本当に妥当だったのか? 山手線16%値上げと「配当維持」の現実――民営化破綻の序章とならないか
JR東日本は約40年ぶりに運賃を見直し、都心部では最大16.4%の上昇となった。年間881億円の増収を見込む一方、修繕費の抑制や技術人材の減少、配当増加の継続が重なり、保守体制と資金配分のあり方が改めて問われている。
JR発足以降初の本格値上げ

JR東日本は2026年3月14日、運賃改定を行った。特に都心部の路線では、他の区間より割安に設定されていた電車特定区間・山手線内の運賃区分を廃止。その結果、普通運賃の改定率が電車特定区間で10.4%、山手線内では16.4%に達し、1割を超える値上げとなった。
値上げ幅が大きいものの、約40年ぶりの本格的な値上げということもあり、「JR発足以降よく値上げなしで頑張ってきた」と、一定の理解を示す声も少なくはない。
JR東日本が2024年12月に運賃改定申請時に公表した資料によると、1年あたり881億円の増収を見込んでいる。改定の理由として、
・安全・サービスの維持向上
・老朽化した車両・設備の更新
・災害やカーボンニュートラル等に対応するための設備投資や修繕
に必要な資金の確保などを挙げていた。物価上昇が続く現状を踏まえれば、一定の運賃改定はやむを得ないとの見方も成り立つ。
値上げの1か月前に起きたトラブル

ただし、今回の運賃改定をめぐっては別の論点も浮上している。改定実施のおよそ1か月前の2月10日に、
・常磐線
・京浜東北線
・宇都宮線
で発生した一連のトラブルについて社長が記者会見を行ったばかりである。このなかで一連のトラブルの原因について、
・コロナ禍で修繕費を約800億円抑制したこと
・作業員の人為的ミス
・社員の技術力低下
を挙げていた。JR東日本は、運賃改定の背景として、鉄道のオペレーションに必要な設備の保守を行うための資金確保を強調していたが、以前から保守を行うための人員や修繕費用が足りていなかったのではないか――という疑問が残る。