日本のガソリン価格と生活を直撃! ホルムズ海峡の通過は2週間で10隻以下、供給網の脆さがノズルの先で牙をむく
ホルムズ海峡の封鎖で通過船舶は日138隻→10隻以下に激減、WTI原油は1バレル98.71ドル。供給網混乱と燃料高騰が輸送産業を直撃し、物流・価格安定の新ルール構築が急務となる。
迅速対応と代替ルート整備

行政には迅速な対応が求められる。多国籍軍によるタンカー護衛を早急に進めると同時に、IEAの承認を受けた4億バレルと、米国が120日間で放出する1.72億バレルの戦略石油備蓄(SPR)を確実に運用し、市場の安定を図る必要がある。米国開発金融公社(DFC)が発表した200億ドル規模の再保険制度も、民間企業が航行をあきらめず行動できるよう、公的支えとして実効性を持たせたいところだ。
輸送を担う産業全体では、中東依存を減らした代替ルートの整備と、燃料価格変動に即応する上乗せルールの策定が急務となる。こうした仕組みがあれば、急激なコスト増で各社が共倒れになるリスクを抑えられる。個別の輸送事業者も、高効率の次世代車両への切り替えを急ぎ、外部環境の変化に耐えられる土台を築くことが不可欠だ。
5年後、ホルムズ海峡を前提とした従来の輸送網は姿を消しているだろう。地政学的な対立による費用負担は一時的ではなく、運賃に組み込まれる要素として常態化する。物流の価値基準は、目的地への速さから、エネルギー供給の急変にどれだけ耐えられるか、安定性と回復力へと変わる。
10年後には、化石燃料を動力とする輸送の時代が終わるだろう。地域ごとの再生可能エネルギー導入や電化の進展により、中東の不安定さが移動費に影響を与えない社会が形作られる。
進むべき方向を見定める材料は明確だ。米国がイランへの追加攻撃でサウジアラビアを軍事拠点として利用できるか、東西パイプラインが日量700万バレルの稼働目標を予定通り達成できるか。これらの結果が、将来の輸送インフラの安定性を測る重要な指標となるのだ。