日本のガソリン価格と生活を直撃! ホルムズ海峡の通過は2週間で10隻以下、供給網の脆さがノズルの先で牙をむく
ホルムズ海峡の封鎖で通過船舶は日138隻→10隻以下に激減、WTI原油は1バレル98.71ドル。供給網混乱と燃料高騰が輸送産業を直撃し、物流・価格安定の新ルール構築が急務となる。
供給網と制度の脆弱性

燃料価格の高騰は問題の一端にすぎない。輸送を支える金融や安全保障の仕組みが揺らぎ、深刻な状況を生んでいる。3月2日、主要海上保険会社は中東湾岸地域の船舶向け戦争リスク補償の引き受けを3月5日で停止すると発表した。民間企業は自らの判断で輸送を維持できず、航行は国家の軍事的保護に頼らざるを得ない。
同時に精製網の機能不全が供給の歪みを拡大している。2月20日の米国原油在庫は前週比1599万バレル増で、2023年2月以来の大幅な伸びを示した。OECD諸国全体でも在庫は平年を上回るが、石油製品価格は跳ね上がっている。複数製油所で設備不具合が発生したことも、精製活動の停滞を加速させた。米国内ではWTI原油が欧州のブレントより安く精製利益は厚いが、中東依存のアジア市場では製品需給が極限まで引き締まっている。
さらに、中国政府は3月5日、国内石油会社に対し、ジェット燃料を除く石油製品の新規輸出契約停止と既存契約の取り消しを指示した。これにより、アジア市場で軽油などの需給逼迫が決定的になった。加えて、日本国内でも制度上の欠陥が露呈した。2025年末にガソリン暫定税率が廃止され、一時的に需要が喚起された直後、原油高の衝撃が直撃した。平時を前提とした過去の仕組みは、こうした深刻な価格変動に全く対応できなかったのだ。